旅もんディレクターがもう一度行きたいお宿③ 厳冬の寒鱈

2020-04-05

TVディレクターの仕事 温泉 前略旅先にて

t f B! P L

おはようございます。早起きディレクターです。
旅をするなら晴れた日がいいですがずっと晴れていてもつまらない。
平凡であまり思い出には残らないからです。
たまに雨が降ったり、雪が降ったり。暑かったり寒かったり。
そうした自然からの試練が旅の記憶にも彩りをそえてくれます。
また旅ものを演出するディレクターの味方にもなります。
テレビを見ている人にとっては雪や雨の中で旅人やスタッフが少々苦労している
のを見るのも一興でしょうし。
旅もんディレクターがもう一度行きたいお宿の3回目は極寒の山形県です。

旅は喜びと苦しみのくりかえし


ただでさえ寒がりの旅人、佐川満男さんは朝から下着を重ね、パッチを重ね、
カイロを貼りまくって完璧な防寒対策でロケにのぞみました。
2010年の1月。天候は大雪。

歩くシーンはいいのですが、絵を描く時に寒いのは本当に苦労します。
大雪の中にじっと座っているのは大変だし、おまけに絵を描くには手袋が邪魔
だから当然素手です。そうなると指が凍えて思うように筆が使えません。
吹雪の中、15分ほど神社の境内を描いていた佐川さんですが、ついに辛抱たま
らず、近所にあった共同浴場に飛び込みました。
撮影チームも浴場に急遽お願いして温泉シーンに変更です。

しかしその湯煙の暖かそうなこと。
たまたま居合わせた地元のおじさんたちともすぐに打ち解けて背中を流し合う。
寒いからこそ生まれた素敵なシーンでした。

冬の庄内の味「寒鱈」と藤沢周平の定宿「久兵衛旅館」


寒い時だからこそ味わえるのが庄内の冬の味「寒鱈(かんだら)」です。
白子をたっぷり孕んだ鱈は思わず寒さに感謝したいほどの味でした。

鶴岡市の奥座敷「湯田川温泉」は1300年の歴史を誇る湯治場。
中でも「久兵衛(くへえ)旅館」は創業350年の老舗旅館です。
老舗ながらここは家庭的な雰囲気で館内床下には温泉が循環しており冬でも暖かい。
ちなみにあの時代小説作家の藤沢周平さんも定宿にしていたそうで、実はここの女将さんが藤沢さんのもと教え子なんだそうです。
(藤沢周平さんは作家になる前は2年ほど中学教師をしていました)

お部屋に通された佐川さんはまずお汁粉で温まり、温泉で温まり、お酒で温まり
冬の名物「寒鱈づくし」料理で圧倒されます



 前菜は「鱈の珍味」。庄内の
 地酒とともにいただきます

 朴葉にのった「鱈の白子の田楽焼き」
 「鱈の肝の酢味噌あえ」は口の中で
 とろけます。
 「鱈みぞれのあんかけ」は熱々で
 体が温まる。


 おすすめは「鱈の白子を使った握り
 寿司」です。これ鶴岡に行ったら
 是非食べて欲しい。
 たっぷり乗った白子にガリをはけ
 代わりにして醤油をつけて食べます。
 (佐川さんは「誰がハゲやねん」と
 ボケをかましていましたが、これは
 本当に美味しかった
 さらに、そっと焼いた白子を熱燗に
 入れる「白子酒」
 地元の名物「どんがら汁」は寒鱈の
 身も骨もぶつ切りにして内蔵も鍋に
 いれて生姜やネギと一緒に煮込んだ
 ものでこれも美味。




 そして最後は「鱈子飯」でしめるん
 ですが、これらの料理は過去200回
 以上放送したコーナーの中でも常に
 佐川さんが「最高の思い出ベスト3
 に推薦する逸品です。

 それだけ山形の寒さも印象深かった
 のかもしれません。



*鱈は冬のメニューです 当時、23,100円くらいのお値段でした

耐えるたびに 人生が見えてくる


さて、夜は更け昼間は寒さに震えていたことも忘れて赤ら顔の佐川さんはお酒から
焼酎に切り替えて上機嫌です。
スタッフと和気あいあいでまさに藤沢周平さんの作品「雨上がる」状態でした。

お宿には藤沢先生直筆の書も飾られており、佐川さんはふと目にした
「耐えるたびに 人生が見えてくる」と書かれた額縁にいたく感動していました。
一体心の中では何を考えていたのでしょうか。



大雪の中 震えながら描いた絵(「たそがれ清兵衛」の舞台にもなった神社)




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