大人向けの旅コーナー「前略旅先にて」
おはようございます。早起きディレクターです。
30歳過ぎた頃から旅のコーナーを担当することが増えてきました。
旅のコーナーといっても大きく分けて「情報」に重きを置いた作りと「情緒」に
重きを置いた作りとの2タイプあると思うんですが、僕はどちらかというと後者
を重視しています。
別にどちらが正しいということではなくそれは作り手の好みで、見ている側が楽し
めればどちらでもいいんです。
ちなみに今担当しているコーナー「とびだせ!えほん」ではいわゆる気の利いた
観光情報やグルメ情報などはほとんど出てきません。
ひたすら旅人の感情に寄り添って話は進行しますしそれはそれでいいんだと思います。
さて、かつて担当した旅のコーナーに「前略旅先にて」がありました。
歌手でもあり俳優でもあり、そして「絵を描く旅人」でもある佐川満男さんが日本各地の温泉地を訪ねて大人のお宿を紹介するという正統派の旅ものです。
名物は最後に佐川さんが旅先への想いを込めて描く一枚の絵。
それが絵手紙としてスタジオに届くというのも楽しみでしたが、佐川さんが毎回訪れる素敵なお宿やそこで味わう豪華な料理。そして日常では体験できない温泉などの情報を心待ちにしてくれていた方も多かったかもしれません。
つまり「情緒」と「情報」両方楽しんでもらうコーナーだったんです。
はげの湯でメラルド色の温泉
2001年7月に始まってから2011年まで続いたコーナーですから、その間に訪れた旅先は日本全国200箇所以上にものぼります。
行く先々のお宿の情報は 名うての”温泉好きリサーチャー”が厳選。
それをもとにクセのあるディレクターたちが取材するのですが、毎回美しい風景やその季節その場所でしか味わえないお料理を紹介しますから出演者の佐川さんはもちろん、我々スタッフにとっても印象深い思い出ばかりです。
コーナーがいよいよ最終回を迎えた時に佐川さんに訪ねたことがありました。
「過去訪れた旅先で一番印象深いところはどこですか?」
佐川さん云く
「いっぱいあるけど料理で言うたら…熊本のはげの湯!あそこで食べた地獄蒸しは忘れられんなあ…」
なんとも物騒な響きの思い出です
天国温泉の後は地獄蒸し
熊本といえば火の国、水の国。
黒川温泉を始め名湯秘湯が目白押しなんですが、わいた山の麓にある「わいた温泉郷・はげの湯」もその一つです。
黒川温泉を始め名湯秘湯が目白押しなんですが、わいた山の麓にある「わいた温泉郷・はげの湯」もその一つです。
僕たちが取材で訪れたのは2009年の1月ですから今から11年前。
真っ青な空の下、白い雪化粧の山々の麓から湯煙がたちのぼる風景は圧巻でした。
ちなみに「はげの湯」と言う名前はその噴煙により草や木が育たなかったから
など諸説ありますが、いわゆる髪の毛とは無関係です。
当時で創業50年弱の小さなお宿です。
部屋数は7つと少ないんですがそれだけお客さんへの気配りが行き届いており、案内された離れの部屋はまるで親戚の家に泊まりにきたような安心感がありました。
そして部屋数に対してお風呂の種類が多い。山々を見渡す「展望風呂」、ご主人手作りの「岩風呂」、さらに「竹林の湯」離れの部屋にも露天風呂があるんですが、なんとその色がエメラルドブルー。にごり湯好きにはたまりません。
源泉は84度と高めでちょっとヌルヌルとしたお湯が肌に心地よい。
好天のもと撮影も順調に進みます。
その温泉と地鶏を使って作られる郷土料理が「地獄蒸し」です。
熱くなった地中に鳥を丸ごと入れて温泉の湯煙で蒸すだけの豪快でシンプルな料理
なんですがこれが佐川さんが過去番組で食べた料理ではベスト10に入る美味。
撮影後にスタッフもいただきましたがこれはうまかった。
なんですがこれが佐川さんが過去番組で食べた料理ではベスト10に入る美味。
撮影後にスタッフもいただきましたがこれはうまかった。
蒸した地鶏に、にんにくベースのタレをかけて大根おろしとポン酢でいただきます。
ひたすらかぶりつき、ただただ唸るしかありません。
ちなみに佐川さんはその丸裸で蒸されている哀れな鶏の姿を見て「まるで家にいる
自分のよう」と嘆息していました。
自分のよう」と嘆息していました。
そのほか馬刺しや黒豚のすき焼きなど。
お値段は「離れの部屋」で21,300円から。
一般のお部屋だと13,800円(2011年情報)と、どこまでも庶民的なお宿。
「九州熊本おそるべし!」
「九州熊本おそるべし!」
0 件のコメント:
コメントを投稿
ご意見