日常を切り取ること。奇跡?を切り取ること。

2021年2月12日金曜日

TVディレクターの仕事 とびだせ!えほん

t f B! P L
お早うございます。早起きディレクターです。

昨日は春を感じさせるほど暖かい日差しだったので、夕暮れ時になって思わず表に飛び出してしまいました。
ぼーっと気持ちよく歩いていると、道の向こうからききわけのなさそうな顔をした茶色い毛むくじゃらの小型犬を連れたひとりのおばあちゃんが歩いてきました。

あっちこっちへ動き回ろうとする犬のリード紐を一所懸命引っ張りながら歩くおばあちゃんの困ったような表情がおかしくて、そしてどこか可愛くて、ずっと遠くから眺めていました。
そして、すれ違う時に目があったのでおもわず会釈すると、むこうも「こんにちは」と少し照れながらも優しい声で挨拶してくれる。
その時のおばあちゃんの笑顔のチャーミングなこと。

僕にとっての日常の奇跡とはこんな瞬間です。
(もちろんこれはある種の人々にとってはまったく意味のない場面かもしれませんが)


ありきたりの風景を描く「とびだせ!えほん」


自分が担当しているVTRのロケ現場ではいつもこんな”ありきたりだけど素敵な日常”を捉えることを念頭に置いています。
もちろんそんな日常シーンはいざ撮影しようとカメラを構えても滅多に撮れるものではありません。
だから普段からカメラマンとのコミュニケーションが大事なわけです。
つまり「このディレクターはどんな性格で、どんな場面を欲しているのか?」ということをカメラマンに理解してもらわなければなりません。

「とびだせ!えほん」でもたまに一瞬の奇跡のようなシーンが撮影できる時があります。
かつて京都市の壬生で偶然であった町売りのお豆腐屋さんのシーンなんかがそうです。


そして最近では和歌山県湯浅のたこ焼き屋のおばちゃんを撮影している時にその瞬間が起こりました。


和歌山県湯浅のたこ焼き屋さんの日常


近所から愛されているたこ焼き屋さんでの一通りの撮影を終えた時、お店の外観などのインサート撮影をはじめたところ、遠くの道を小学生の子どもたちが歩いています。
ふとそこにカメラマンがレンズを向けると、小学生はこちらに向かって手を振ってくれます。
そこへたこ焼き屋さんのおばちゃんが出てきて「おかえり!」と声をかけると子どもたちの「ただいま」という明るい返事。
それをずっと横で見ている長谷川画伯。



これは普段からたこ焼き屋さんで当たり前に行われている日常だからこそ撮影できたのだと思います。
でも、それを可能にするには現場にいるカメラマンを中心とした技術スタッフ(もちろん出演者と制作も含めて)の意識がかなり大切なんです。

「淡々としながら、いつも何かを狙っている意識」とでもいうのでしょうか。

いずれにせよこれは長谷川画伯を中心とした穏やかな空気感がないと撮影できない、逆に言えばスタッフ同士が険悪であったり、妙にぴりぴりしているような現場では決して撮影できないということは確かだと思います。

「とびだせ!えほん」は長谷川さんの絵ももちろん魅力なんですが、そんなおだやかな日常も視聴者の皆様に楽しんでいただけるようにと常に考えています。
とにかく放送も残りわずか。
今度はどんな記憶に残る日常(青い鳥?)と巡りあえますか。


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