日常を物語にする人々

2020年8月30日日曜日

音楽&ギター

t f B! P L

ネコバスに乗りたいおじさん

お早うございます。早起きディレクターです。 
最近テレビで「となりのトトロ」を久しぶりに見ましたがやっぱりいいですね。
恥ずかしながら、この物語が「日本版の不思議の国のアリス」だということに今回はじめて気がつきました。だからなおさら面白かったです。


 
でも「アリスの世界観に比べれば、トトロの世界ってけっこう地味ですよね。(ファンの方すいません。個人的な意見です)
登場するのは田舎に引っ越してきた家族とまわりの人々。そして森に住む妖精(おばけ?)トトロだけ。
事件といえば病院から帰宅するはずだった母親の具合が悪くなり帰れなくなったので心配する妹を探す姉の場面くらいです。
それでも、不安を抱えながら前を向いて生きる家族の日常をとても丁寧に描いているので、見ていて全然飽きません。
ふかふかのネコバスに乗り込むシーンなんて僕みたいなおっさんでもわくわくしながら見てしまいました。ちなみにぼくは笑い方がチェシャ猫に似ているとたまに言われます・・・どうでもいい話ですが。



名監督たちをささえる名音楽家


小津安二郎、山田洋次、是枝裕之・・・
僕はこれらの、ごく平凡な「日常風景」を人が鑑賞できる物語にまでもっていける監督さんを心から尊敬しているのですが、そんな監督のそばにはいつも音楽の強力な助っ人がいます。
宮崎監督の場合はいつも久石譲さんがいますよね。

映像を決して邪魔しないように一歩引いているのに、やはり久石譲のメロディーが確固としてそこに存在している。
そして必要な場面ではすっと前に出てきたり引いたりするタイミングの良さ。
常に上品さを兼ね備えたメロディーが宮崎映画の魅力をさらに高めていることは間違いありません。

40年前・・・ウォークマンで妄想


ところで「日常を物語に変える」といえば思い出すのが今から40年ほど前にソニーから発売された画期的な音楽プレイヤー「ウォークマン」です。
家には今でもその頃の古いカセットが多く残っています。

まだ「ウォークマン」で曲を聞きながら風景を眺めるのがまだ新鮮な時代でした。
当時、初めて体験したんですが、「ウォークマン」をつけて風景を眺めると、なんてことのない日常がなんだか物語のワンシーンのように映ったものです。

そして思いました。
「音楽があればもしかしたら俺にも物語が紡げるかもしれない」
でもそれが間違いだとわかったのは5年後にTV制作プロダクションに入ってからでした。


基本はまず映像ありき


音楽(音)はもちろん大切だが、そもそもその前に映像がなければばらない。しかもその映像に監督の思いがなければそれは決して音楽と調和することはない。
要するにまずは素材となる映像をしっかり作らないと話にならないということです。

こんな当たり前のことを考えながら「となりのトトロ」をみているとさらに感慨深い。
僕はアニメ作品はそんなに詳しくないんですが、それでもワンシーンワンシーンの絵に込められた宮崎監督の思い(執念?)は感じられました。

きっと一緒にいるスタッフも宮崎監督のもとでは苦労するでしょうが、でもそれくらい足掻かないと物語として成立しないと考えておられるのでしょう。
まさに「神は細部に宿る」ですね。






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