「大阪人はディレクターもせっかちです」TVあるある話③

2020年4月29日水曜日

TVディレクターの仕事

t f B! P L


おはようございます。早起きディレクターです。
僕らが地方に行くとよく言われることがあります。


「あんたたちは撮影が終わるのが早いねえ。
 この前に来てた@@@テレビの人たちは朝から夜遅くまでいてたよ」

おそらく大阪のロケスタッフはせっかちなんでしょう。
もうひとつあります。

「やっぱり大阪のテレビ局の人はおもしろいねえ」

おそらく大阪のロケスタッフはよくしゃべるんでしょう。
もちろん大阪のテレビ屋さんでも無口な人はたくさんいますし取材にたっぷり時間をかける人もいますが、たしかにこういう傾向はあるのかもしれません。

大阪のディレクターはロケ時間が短い?


むかし、知り合いの技術スタッフがぼやいていました。
「この間、東京から来た若いディレクターと仕事したら、何でもかんでも撮影するから疲れた」これも関西の技術さんのあるある話でしょうが、きっとその若いディレクターには彼(彼女?)なりの事情があるのでしょう。

わざわざ大阪まで来るくらいですからそこそこ番組予算はあるでしょうし、もしかしたら全国ネットかもしれない。ならば大量にディレクターも抱えているでしょうから競争も激しい。
番組内容や編集をチェックするえらい人々も多いはずですから、若いディレクターにしたら「誰にどんなことを言われても対応できるようにあらゆるカットを撮って用意しておかなければならない。」それで撮れるだけ撮ってしまう。
つらいでしょうが気持ちはわかります。

ただ中には撮影中に東京の上司と携帯電話で逐一相談しながら指示を出しているディレクターもいたそうですが、これはちょっとやりすぎです。ディレクターなら自分の現場の判断は全部自分でするくらいの矜恃がほしい。

ちなみに自分はできるだけ少ないカット数で撮影して早く終わりたいタイプです。
その理由は編集の時に大量の収録素材に囲まれてあれこれ迷いたくないから。
根っからのじゃまくさがりです。
それに早く終わってビールやお酒も飲みたい。




しかし「大量に集めた素材(映像)から厳選してよりよい商品(作品)を作る」という発想はテレビに限らずどの分野にもあることですし、消費者や視聴者が喜んでくれるのならそれはそれでありだとは思います。
でも取材先の中には「こないだテレビ撮影に朝から夜中近くまで付き合ったけど、結局1分も放送されなかった」と嘆いている人がいるのも寂しい事実です。

撮影したものは全て放送したい


これは多くのディレクターの願いでしょうが、そう思う通りにも行きません。
じっさい自分も似たような経験があります。一度は取材を始めて1時間ほどたったとき「これはどうしても放送するレベルまで持っていく自信がない」と撮影を中止にしたこともありましたましたが、今でも思い出すと怖くなります。

そんな経験を通してけっきょく思うのは「誰かが不幸になるような取材の仕方はできるだけ避ける」当たり前の話ですがこれにつきます。

自分の周りにはロケが終わってからも取材先とお付き合いしているディレクターもたくさんいますが、やっぱりそういうのが一番いい。
業界以外の人と仲良くなると世界も広がりますから。



関連




注目の投稿

奈良「信貴山・朝護孫子寺」はエンタメ満載の神社仏閣界のテーマパーク!?楽しみながらお参りするコツを紹介します

お早うございます。早起きディレクターです。 僕は人並み程度には信心深い性格ですし、 テレビで”旅ディレクター”をしていた関係上、昔からいろんな神社やお寺の事を調べたり取材で出かける ことがよくありました。 かつて担当していた 「とびだせ!えほん」 という旅コーナーでもしょっちゅう...

プロフィール

自分の写真
大阪市, 大阪府, Japan
関西在住。早起きのベテランTVディレクターです。これまで旅モノやドキュメンタリーを中心に活動。MBS「ちちんぷいぷい」の旅コーナー”『とびだせ!えほん』『前略、旅先にて』やKTV「ふるさとZIP探偵団」などを担当していました。 テレビ業界での経験話からドラマや音楽論。そして趣味の占星術まで色んなジャンルの話題をつづっています。

アーカイブ

ページビューの合計

QooQ