若手ディレクターさんは知ってますか?撮影技術さんの嫌がること、あれこれ。

2021年11月20日土曜日

TVディレクターの仕事 映画、TVドラマ他

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お早うございます。早起きディレクターです。
最近はテレビはあまり見ないのですが、昨日は妻が録画していた朝ドラ「カムカムエブリバディ」を見ていて、その秀逸な脚本とナレーションに思わず唸ってしまいました。

さすがの藤本さんでした


ヒロイン安子と恋人の稔は身分の違いから親に結婚を反対されていたものの、ようやくその誠実な人柄と関係が認められ、ついにめでたく結ばれます。
でも時代は戦時中です。
夫の稔にはすでに召集令状が来ていました。

若い夫婦は「出征の時までだけでも」と、つかの間、ささやかな幸せな新婚生活を過ごします。
そしてある日2人は思い出の喫茶店を訪ね、思い出の神社の境内で将来を夢見ます。
境内で流れる『On the Sunny Side of the Street』風にジャズアレンジしたBGMも素晴らしいセンスなのですが、そんな微笑ましい場面の背景で語られるアナウンサーのナレーションに感心しました。

「安子と稔が一緒に暮らせたのは、ほんのひと月たらずでした・・・」

お見事です!

最近はわざわざ言葉で説明しなくても映像を見ればわかるようなものや、やたら感動を押し売りするようなナレーションもよく見かけますが、このドラマは短い一言で見事にふたりの幸せと将来の不安を予感させてくれました。

「ああ、稔さんは無事に戦争から帰ってこられるのだろうか?」

切れの良い言葉で、視聴者にあれこれ想像させる・・・さすが名脚本家・藤本有紀さんの書く台詞だけのことはあります。
これは「ちりとてちん」以来の名作になるのでは?と大いに期待してしまいました。



撮影技術さんの嫌がること、あれこれ。


それにしても脚本家が優秀だとやっぱり監督の演出もさえ渡るようです。
しかも監督が乗っていると当然技術さんにも活気が出ます。
僕ら旅モノのディレクターはドラマの監督さんとは方法論もレベルも違うのでしょうが、それでもひとりよがりにならず、技術さんや全スタッフと息を合わせて撮影を進めなければ良いものは出来ないところはきっと同じです。

そこでついでといっちゃあなんですが、若いディレクターが技術さんと仕事をする上で「ありがちな無理な失敗(無理なお願い)」を2、3書いておきます。

カメラマン編


その①「やたら長ーーいパンを要求する」

カメラを固定したままフレームを水平、あるいは垂直に動かす(振る)ことを「パンニング」といいますが、その移動する範囲にも限度があります。
パンニングは状況を説明することなどには効果的ですが、中には「360度くらいのパンニングを」と、無謀な要求をするディレクターもいますが、それはいかがなものか。
ピントを合わせる方も大変です。
*ただ、カメラマンも納得した上で”演出の遊びとしてやる分には問題はないのでしょうが。

その②「明るさの比が違いすぎる対象物を撮影

昼間の屋内撮影などで、手前に出演者がいて、さらに窓の外に光のあたった風景があるとします。
でも人物をしっかり撮影しながら、奥の景色もきれいに見せるとなるとこれは大変です。
人物にはかなりの光量の照明を当てなければなりません。
そうしないと奥の景色は”ぶっとぶ”(真っ白に飛んでしまう)ことになります。
両方をうまく撮りたければ、事前にそれなりの照明器具が必要です。
(当然、出演者は暑いです)
照明がなければ撮影できません。そして照明のセッティングにはそれなりの時間がかかります。


 そして音声編


その①「カメラの音声ケーブルを確認しない」

ディレクターが音声さんに対する失敗で一番多いのは、音声ケーブルがまだカメラに繋がっていないのに撮影を始めようとすることです。
当然、その状態では音はきれいに拾えません。
恥ずかしながら、この失敗は昔は自分もよくやりました。

その②「取材人物にピンマイクをつける時間を与えない」

いきなり出会った人などは普通、臨機応変にガンマイク等で音を拾いますが、予定していた取材対象などには演出上ピンマイク(胸元につける小さなマイク)を付けてもらう時もあります。
音声さんにマイクの準備をする時間を与えないで「音が撮れていない!」とあとから責めるのはやめましょう。

とまあ、グダグダ書きましたが結局技術さんたちが一番いやがるのは「そもそもディレクターに演出プランがない」場合です。
こうなると、彼らはどう動いて良いのかさえわかりません。
やっぱり良い脚本ありき、良い演出ありきでよい作品はできるんですね。

「カムカムエブリバディ」
今日は1週間通しで見てみよう・・・

あ!それと来週はMBS「よんチャンテレビ」に、僕がいつもBGMでお世話になっている音効の河原さんが月から金まで登場するそうです。
ディレクターにとっては大事な”音”に関する話題だそうです。
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プロフィール

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大阪市, 大阪府, Japan
関西に住む早起きのベテランTVディレクターです。現在毎日放送で担当している”ゆるーい旅コーナー”『とびだせ!えほん』は今年で10年目になりました。 業界での体験談や日常の悲喜こもごもを綴っています。皆様の暇つぶしになれば幸いです。

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