テレビ画面から人柄がにおうような芸人さん「よっ!わーれー」

2021年9月30日木曜日

映画・TV・書籍など

t f B! P L
お早うございます。早起きディレクターです。
今の世の中、インターネットやSNSが発達したためか芸能人でもその”芸”だけでなく本人の人柄・性格まで揶揄云々される時代になりました。
要するにいくら芸があっても”人柄”が良くなければ支持されないわけです。
さらにいえば”かわいさ”がなければ人気が出ない。



昭和の時代以前の芸能界ではスクリーンの顔と生身の私生活は完全に切り離されたものでした。
あの頃は「銀幕のスター」と呼ばれるような神秘的な大物もたくさんいましたが、もうこれからは芸能界に夢を託すことは難しいのかも知れません。
そのどちらが芸能人にとって生きやすいのか?
観ている側にとってはちょっと寂しいような気がしないでもありませんがそれも時代の流れなんでしょう。

でもテレビって怖いもので、時にはその人柄の奥までも映し出してしまうものです。
しかも年を取るほどに人を見る鑑識眼は研ぎ澄まされ時に毒を帯びていきます。
だからおっちゃんやおばちゃんの視聴者は文句も多い。

昨日は自民党の総選挙が行われていましたが、なんだか僕には国民の人気を当て込んでいるような、まるでAKBの総選挙のような錯覚を覚えてしまいました。
政治を身近に感じるのは良いことなんでしょうが軽薄すぎるのはどうにも・・・これもおっちゃんの文句の一つでしょうか。


人は画面から人柄がにおいます


ところでかつて吉本新喜劇で活躍された室谷信雄さんをみなさんは覚えてはりますか?

故郷の大阪府泉佐野市市が玉ねぎの産地として有名だったことから、自身の頭髪が薄いことを自ら「玉ねぎの祟り」などの弄ばれギャグにして人気を博した役者さんです。
「よっ、わーれー!」というキャッチフレーズは大人だけでなく子どもにも大人気で僕も学校で連発していました。

先日、花紀京さんの出演する吉本新喜劇のDVDを見る機会があったのですが、そこには若き日の室谷さんも出演していました。
そしてしみじみ感動しました。



主役級の花紀京さんや岡八郎さんはもちろん芸達者で面白いんですが、その舞台を確実に盛り上げて劇団員の心を一つにしていたのは実は室谷さんではないか?と僕には思えたんです。
しかもそのキャラクターの可愛らしさや愛嬌は絶品です。

室谷信雄さんはきっと”善人”に違いない・・・気になったおっちゃんは早速、室谷さんをネットで調べてみました。

室谷信雄
1946年2月11日大阪府泉佐野市生まれ
18歳で吉本興業にはいり白木みのるさんルーキー新一さんに師事。
24歳頃から木村進さん間寛平さんらとともに新喜劇の主役として出演。
1982年26歳で座長就任。

かつて吉本新喜劇は劇団員と漫才芸人との間には壁のようなものがあり交流も少なかったそうですが、室谷さんは若い漫才師さんや芸人さんにも「こんにちわ、元気ですか?」などと常に気さくに敬語で声をかけ非常に慕われる存在だったそうです。
そして同じ劇団のメンバーからもその人柄と芸を認められていました。

しかし人気絶頂だった28歳の頃に喉頭がんが発覚。
声帯を手術したためその後遺症で声が出にくくなり休養の後、惜しまれながら芸能界を引退しました。
その後はそれまでの人間関係からも遠ざかります。
理由は”かつての芝居仲間に迷惑をかけたくなかったため”だと言われています。
ゴルフ場で働いたりしていた時期もあったそうですが、常に周りからは慕われる存在だったようです。

引退後はテレビにはまったく出ませんでしたが、盟友の間寛平さんが病身でありながらアースマラソンに挑戦していた時には激励のためにサプライズ登場したことがあります。
大好きだった室谷さんと再会して寛平さんが号泣するシーンはテレビでも放送され多くの感動を呼びました。
そんな寛平さんは今も周りを明るくしてみんなから慕われる存在です。
きっと善は善を引き寄せるのでしょう。

室谷さんは2018年12月に亡くなられました。
72歳でした。


サブローさんのモノマネ「よっ!わーれー」 


今から20年ほど前に僕が『ちちんぷいぷい』という番組でスタジオのディレクター卓に座っていた頃、出演者ですでにベテランの域だった大平サブローさんが料理コーナーで玉ねぎを見るたびに「よっ、わーれー!」という室谷さんのモノマネを連発していたことを思い出しました。

それは本人のギャグ以上に愉快で楽しいものでしたが、時にはくどいかな?(すいません)と、感じることもありました。
でもいまならあの頃のサブロー師匠の気持ちがわかります。
きっと吉本に入った頃の若きサブローさんも室谷さんに可愛がられ慕っていた芸人さんのひとりだったんでしょうね。
だからこそテレビを通じて引退した室谷さんに情愛のメッセージを送っていたのかもしれない。

「よっ!わーれー」

室谷さんのようなタイプの芸人さんを今更ながら懐かしく感じる今日このごろです。



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大阪市, 大阪府, Japan
関西在住。早起きのベテランTVディレクターです。これまで旅モノやドキュメンタリーを中心に活動。MBS「ちちんぷいぷい」の旅コーナー”『とびだせ!えほん』『前略、旅先にて』やKTV「ふるさとZIP探偵団」などを担当していました。 テレビ業界での経験話からドラマや音楽論。そして趣味の占星術まで色んなジャンルの話題をつづっています。

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